病理検査・診断Q&A
Q. 病理検体や診断書の保管について教えて下さい。

A. 本邦ではカルテとそれに関わる報告書・病理診断書等の保管期間は、5年間とされています。しかし病理検体となりますとその種類も、スライドガラス標本、パラフィンブロック標本、臓器・組織マクロ標本と多岐にわたります。多くの施設では、病理組織ガラス標本とブロック標本に関しましては永久に持ち続けていると思われますが、マクロ標本に関しましては保管スペースの関係が大いにあるため廃棄時期は様々と思われます。
なお、臓器・組織マクロ標本の管理に関しては、廃棄処分や目的外使用(病理診断以外に研究その他の学術目的で使用する場合)について、患者に説明し同意書を得ておく必要があります。細胞診標本に関しましては日本臨床細胞学会精度管理ガイドライン2005により、全例の報告書及び細胞診ガラス標本の保存期間は5年間を基本とするよう定められていますし、疑陽性、陽性判定標本に関しては、更なる長期の保管期間を設定するよう求めています。

米国では、臓器・組織そのものは最終病理報告後2週間まで、ブロックとガラススライド標本、病理診断書の保管は10年間、受領記録簿や精度管理記録は2年間の保管が義務づけられています。将来、わが国もこれを踏襲する可能性があります。

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